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障害年金がもらえる条件とは|3つの要件と等級・年金額を解説

障害年金がもらえる条件とは|3つの要件と等級・年金額を解説

障害年金は、病気やけがで仕事や生活に支障が出たときに受け取れる公的年金です。高齢の方だけでなく、20代から50代の現役世代も対象になります。ただ、「障害がある」だけで支給されるわけではなく、法律で決められた3つの条件を満たす必要があります。

この記事では、障害年金をもらうための3つの条件(初診日・保険料の納付・障害の状態)を順番に整理します。あわせて、障害基礎年金と障害厚生年金の違い、1級から3級までの目安、2026年度(令和8年度)の年金額、請求できる時期も確認できます。

ご自身やご家族が対象になりそうか、最初の見当をつけるための入口としてお読みください。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」がある

障害年金には2つの種類があります。どちらを請求できるかは、病気やけがで初めて医師の診療を受けた日(初診日)に、どの年金制度に加入していたかで決まります。

初診日に加入していた制度で種類が決まる

初診日に国民年金に加入していた方(自営業、学生、専業主婦・主夫など)は「障害基礎年金」を請求します。初診日に会社員や公務員として厚生年金保険に加入していた方は「障害厚生年金」を請求します。障害厚生年金が1級・2級に該当すると、障害基礎年金もあわせて受け取れます。

今の加入状況ではなく、初診日の加入状況で決まる点に注意してください。たとえば会社員のときに初めて受診し、その後退職して国民年金に切り替えた場合でも、請求するのは障害厚生年金です。

項目障害基礎年金障害厚生年金
初診日に加入していた制度国民年金(20歳前・60歳以上65歳未満で未加入の期間を含む)厚生年金保険
支給される等級1級・2級1級・2級・3級(軽い障害が残った場合は一時金の障害手当金)
金額の決まり方等級ごとの定額加入中の給与・賞与と加入期間にもとづく報酬比例
主な加算子の加算配偶者の加給年金(1級・2級)
請求書の主な提出先市区町村役場(20歳前初診などは年金事務所)年金事務所・街角の年金相談センター

対象となる病気やけがは幅広い

障害年金の対象は、手足や目、耳の障害だけではありません。日本年金機構の案内では、うつ病・統合失調症・双極性障害・発達障害・知的障害などの精神障害や、心疾患・腎疾患・肝疾患・糖尿病・がんなどの内部障害も対象として挙げられています。病名で一律に決まるのではなく、その病気による生活や仕事への影響の大きさで判断されます。

条件1 初診日要件:初診日に年金制度に加入していたこと

医師に相談する患者のイメージ

1つ目の条件は、障害の原因となった病気やけがの初診日が、決められた期間の中にあることです。

初診日とは「初めて医師の診療を受けた日」

初診日は、その病気やけがで初めて医師または歯科医師の診療を受けた日を指します。転院している場合は、いちばん最初に受診した医療機関の日付が初診日です。診断名がついた日や、専門病院に移った日ではない点に気をつけてください。初診日の考え方と証明の方法は、それだけで確認すべき点が多いため、請求の準備ではまず初診日の確定から始めます。

障害基礎年金の場合

初診日が次のいずれかの期間にあることが必要です。

  • 国民年金に加入している期間
  • 20歳前で、年金制度に加入していない期間
  • 日本国内に住む60歳以上65歳未満で、年金制度に加入していない期間(老齢基礎年金を繰り上げて受給している方を除く)

障害厚生年金の場合

厚生年金保険の被保険者である間に、初診日があることが条件です。入社直後に初めて受診した場合でも、その日に厚生年金に加入していれば対象になります。

条件2 保険料納付要件:未納が多すぎないこと

2つ目の条件は、初診日の前日の時点で、一定以上の保険料を納めている(または免除を受けている)ことです。初診日より後に未納分を納めても、この判定には含まれません。

原則は「3分の2以上」

初診日がある月の前々月までの公的年金の加入期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間を合わせて3分の2以上あれば条件を満たします。厚生年金に加入していた期間も納付済期間に含まれます。学生納付特例や納付猶予の期間も、手続きをしていれば免除期間と同じ扱いです。

特例は「直近1年間に未納がない」

3分の2に届かない場合でも、特例があります。初診日が令和18年(2036年)3月末日までにあり、初診日に65歳未満であれば、初診日がある月の前々月までの直近1年間に未納がなければ条件を満たします。過去に未納が長くあった方でも、直近1年がきちんと納付・免除されていれば対象になり得ます。

20歳前に初診日がある場合は不要

20歳前の、年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。生まれつきの障害や、10代で発症した病気がこれにあたります。ただし、この場合の障害基礎年金には、本人の前年所得による支給制限があります。

条件3 障害状態要件:障害等級に該当していること

保険料の納付期間を確認するイメージ

3つ目の条件は、障害の程度が法令で決められた障害等級に該当していることです。障害基礎年金は1級か2級、障害厚生年金は1級から3級のいずれかに該当する必要があります。

判定の基準日は「障害認定日」

障害の程度は、原則として「障害認定日」の状態で判断します。障害認定日は、初診日から1年6か月を過ぎた日です。それより前に症状が固定し、治療の効果が期待できない状態になった場合は、その日が障害認定日になります。人工透析は開始から3か月を経過した日、人工関節やペースメーカーは装着した日など、障害の種類によって特別な決まりがあるものもあります。

1級・2級・3級の目安

日本年金機構の障害年金ガイドでは、各等級の状態を次のように説明しています。

  • 1級:他人の介助を受けなければ、日常生活のことがほとんどできない状態。活動の範囲がベッドの周辺に限られるような方
  • 2級:必ずしも他人の助けは要らないが、日常生活は極めて困難で、働いて収入を得ることができない状態。活動の範囲が家の中に限られるような方
  • 3級(厚生年金のみ):日常生活にはほとんど支障はないが、労働に著しい制限がある状態

実際の判定は、障害の部位ごとに定められた「障害認定基準」と、医師が作成した診断書の内容にもとづいて行われます。

障害者手帳の等級とは別のもの

身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳の等級と、障害年金の等級は別の制度です。手帳が2級だから障害年金も2級、という対応関係はありません。手帳を持っていなくても障害年金は請求できますし、手帳があっても年金が不支給になることもあります。

等級ごとの年金額(2026年度・令和8年度)

年金額を計算するイメージ

年金額は毎年度改定されます。ここでは日本年金機構の「障害年金ガイド 令和8年度版」に掲載された2026年度(令和8年度)の金額を整理します。

区分1級2級3級
障害基礎年金(年額)1,059,125円+子の加算847,300円+子の加算なし
障害厚生年金(年額)報酬比例の年金額×1.25+配偶者の加給年金報酬比例の年金額+配偶者の加給年金報酬比例の年金額(最低保障635,500円)
子の加算(障害基礎年金)2人目まで1人243,800円、3人目から1人81,300円同左なし
配偶者の加給年金(障害厚生年金)243,800円243,800円なし

※昭和31年4月1日以前に生まれた方は、障害基礎年金が1級1,056,125円・2級844,900円、障害厚生年金3級の最低保障額が633,700円です。

障害基礎年金は定額

障害基礎年金は等級ごとの定額です。2級は老齢基礎年金の満額と同じ水準で、1級はその1.25倍です。生計を維持している子がいる場合は、子の加算がつきます。対象となる子は、18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の状態にある子です。

障害厚生年金は給与と加入期間で決まる

障害厚生年金は、厚生年金に加入していた間の給与や賞与の平均と、加入月数から計算する「報酬比例の年金額」が基本です。加入期間が300月(25年)に満たない場合は、300月加入したものとみなして計算します。入社して間もない方でも一定の額が確保されるしくみです。1級・2級で、生計を維持している65歳未満の配偶者がいる場合は、配偶者の加給年金が加算されます。

障害手当金と障害年金生活者支援給付金

厚生年金に加入中に初診日があり、初診日から5年以内に症状が固定して3級より軽い障害が残った場合は、一時金の障害手当金を受け取れることがあります。2026年度の最低保障額は1,271,000円です(昭和31年4月1日以前生まれの方は1,267,400円)。

また、障害基礎年金を受けている方で前年の所得が一定以下の場合は、年金とは別に「障害年金生活者支援給付金」が支給されます。日本年金機構の案内(2026年10月時点)では、月額は1級7,025円、2級5,620円です。

いつから受け取れるか:請求の時期と期限

条件を満たしていても、請求しなければ年金は支給されません。請求のしかたは大きく2通りあります。

障害認定日の状態で請求する場合

障害認定日の時点で障害等級に該当していれば、障害認定日の翌月分から受け取れます。障害認定日から時間がたってから請求することもでき、その場合はさかのぼって支給されます。ただし、時効によりさかのぼれるのは5年分が限度です。

後から重くなった場合(事後重症)と請求期限

障害認定日には等級に該当しなかった方でも、その後に症状が重くなれば請求できます。これを事後重症による請求といい、請求日の翌月分から支給されます。請求が遅れるほど受け取り開始も遅くなります。事後重症による請求は、65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります。

自分が条件を満たすか確認する手順

請求書類を準備するイメージ

条件の確認は、次の順番で進めると迷いにくくなります。

ステップ1 初診日を特定する

お薬手帳、診察券、領収書、健康保険の記録などを見ながら、最初に受診した医療機関と日付を確認します。転院が多い方は、受診した順に医療機関名を書き出しておくと後の書類作成でも役立ちます。

ステップ2 年金の加入記録と納付状況を確認する

ねんきんネットや年金事務所で、初診日当時に加入していた制度と、保険料の納付・免除の状況を確認します。初診日が特定できれば、3分の2要件と直近1年要件のどちらで満たすかを判断できます。

ステップ3 主治医に日常生活の状況を伝える

障害の程度は、医師が作成する診断書で判断されます。主治医には、病状だけでなく、家事や外出、仕事でどのような支障が出ているかを具体的に伝えておくことが大切です。診断書の依頼前に、年金事務所や専門家に相談しておくと書類のやり直しを防げます。

よくある質問

障害者手帳を持っていなくても請求できますか

請求できます。障害年金と障害者手帳は別の制度で、手帳の有無は受給の条件ではありません。障害年金の審査は、年金用の診断書などの書類で行われます。

働いていると障害年金はもらえませんか

働いていることだけを理由に不支給になるわけではありません。人工透析や人工関節など、状態そのもので等級が決まる障害もあります。精神の障害では、職場で受けている配慮や就労の実態をふまえて判断されます。

国民年金の保険料を払っていない時期があります

未納があっても、3分の2要件か直近1年要件のどちらかを満たせば対象になります。判定は初診日の前日時点の記録で行うため、まず初診日を確定させることが先です。

65歳を過ぎてからでも請求できますか

障害認定日の状態で請求する場合は、65歳を過ぎても請求できることがあります(さかのぼれるのは5年分まで)。一方、事後重症による請求は65歳の誕生日の前々日までです。個別の事情で結論が変わるため、早めに相談してください。

がんや糖尿病でも対象になりますか

対象になり得ます。病名ではなく、その病気による日常生活や仕事への制限の程度で判断されます。抗がん剤の副作用による倦怠感なども、診断書に具体的に書かれていれば判断材料になります。

障害年金に税金はかかりますか

障害年金は所得税の課税対象になりません(非課税)。そのため、障害年金については公的年金等の源泉徴収票も送付されません。

まとめ

障害年金をもらうには、初診日要件・保険料納付要件・障害状態要件の3つをすべて満たす必要があります。どの年金を請求できるかは初診日に加入していた制度で決まり、納付要件も初診日の前日時点で判定されます。まずは初診日を確定させることが、すべての出発点です。

2026年度の障害基礎年金は2級で年847,300円、1級で年1,059,125円です。障害厚生年金は給与と加入期間で額が変わり、3級や一時金の障害手当金もあります。条件を満たしていても請求しなければ支給されないため、該当しそうな方は早めに準備を始めてください。

蓮池社会保険労務士事務所では、障害年金の請求について、受給要件の確認から書類の作成・請求までサポートしています。大阪を中心に対応しています。サービス内容と料金案内をご覧のうえ、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

参考(公的機関の情報)

※本記事は2026年10月時点の法令・制度にもとづく一般的な解説です。個別のケースでは結論が異なる場合があります。

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